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ベテルスロッジ
オーロラを撮影するために
ここではクマ一郎の経験をもとに、オーロラ撮影術の説明をします。ただ、クマ一郎自身、あまりカメラに詳しくないので、難しいことはわかりません。参考になると良いのですが。

ベテルスはもちろん写真撮影の場所としても優れていますが、個人的には、オーロラ観測地としてのベテルスの真価は、360度の視界いっぱいに広がるオーロラを肉眼でしっかり見るときに発揮されると思います。あのスケールをファインダー越しやカメラ作業の片手間に見上げるのはもったいない限りです。ときにはカメラを離れて満天のオーロラをじっと満喫してみたいものですね。(クマ一郎)。
●アイテムごとに簡単に説明します。
カメラ オーロラを撮影するためには、感度の高い特殊なカメラが必要では無いかと思われる方もおられるかもしれませんが、そんなことはありません。デジタルカメラでもフィルムカメラでも長時間露光(30秒ぐらいシャッター開きっぱなし)が出来るものであれば大丈夫です。コンパクトカメラやコンパクトデジカメでもこの機能がついていれば撮れます。一般的には一眼レフ相当のものを用意される方が多いです。

最近のカメラはハイテク製品でデリケート、日本でいう常温を大きく下回るアラスカの環境がカメラに厳しいのは事実で、純機械式のカメラを持ち込まれる方もおられます。ですが、全くダメな訳でもなくて、私の経験では−20℃ぐらいであれば、問題無く動きます。もっともメーカーが動作保証をしていない環境の下での使用は壊れても自己責任ということになるかもしれませんが。
レンズ

広角でF値の小さいレンズが良いです。F値が小さいと明るい写真を撮る事が出来ます。ズームレンズはF値が高くなるのであまりおすすめではありません。単焦点でF値のできるだけ小さいものを選びましょう。人によって撮り方が異なるため、どのレンズが良いとは言えませんが、20o〜28oぐらいのレンズが使いやすくて良いのではないかと思います。14oぐらいになるとかなり値段もはるので、思案のしどころです。魚眼レンズを使われる方もいらっしゃいますね。

デジカメの場合はフィルムカメラと違って、カメラによって焦点距離が異なります。このため35oフィルムで20oのレンズでもデジカメに装着すると30o相当ぐらいになってしまいます(必ず望遠側に振れます)。ここは注意が必要です。
レリーズ 直接シャッターボタンを押すととその振動で写真がブレてしまいます。このためにレリーズが必要です。凍ってしまうので金属製がオススメと言われますが、ビニール製でも注意して使えば大丈夫だと思います。予備があればなお安心です。
三脚 オーロラ撮影には必須です。手持ちで長時間露光すると必ずぶれるからです。これはどんな超人でも避けられません。雪の上に設置するので、がっしりしていればいるほど良いです。重いのは難点ですが。
カイロ


カメラの保温用にカイロはあったほうがいいです。ただ、注意しないといけないのは、使い捨てカイロはカメラには役にたたないということです。と、いうのももともと使い捨てカイロは人の体熱を利用して温まる原理なので機械類には効かないのです。

チャコール系(要は石炭の棒を燃やす)カイロは一応燃やすタイプなので、使い捨てカイロよりはずっと良いですが、外気温が低すぎるせいか、気がついたら火がきえていることがしょっちゅうあります。

ハクキンカイロみたいなベンジン・アルコール系も聞いたところでは同じようなもののようです。ここのところは皆さん苦労されてるのかもしれないですね。

設置する際は、カメラのレンズ付近に輪ゴムなどでしっかり固定してください。レンズにかからないように注意してくださいね。
フィルム ポジ・フィルムは発色がきれいですが、その分デリケートで扱いにくく、ネガ・フィルムの方が失敗は少ないです。普段店頭に積んであるフィルムはほとんどネガフィルムです。ポジフィルムはフィルム代も高い上に現像代もネガに比べるとだいぶ高いのでネガと同じ調子でプリントしようとするとびっくりするような金額になることが多いので注意が必要です。

オーロラは明るく見えてももともと弱い光なので、感度の高いフィルムが必要なのですが、あまり高いものは粒子が粗くて、引き伸ばすと目もあてられなくなったりします。

ちなみに写真の上手い方はポジ+感度の低いフィルムで撮りたがる傾向があるようでISO100で撮る方も見かけます。一般的にはISO800か400ぐらいが使いやすいのではと思います。
露出・環境等 月に関しては、オーロラは微弱な光なので新月が良いと言われたりもしますが、満月でもオーロラの出方が弱くなければまず気にすることはありません。それよりも雲が天敵です。

露出時間(シャッター速度)はISO800なら10秒〜20秒ぐらいでしょうか。感度を高くするとシャッター速度を短く設定できるので、オーロラカーテンのひだなどもはっきり出せたりするのですが、粒子が粗いので引き伸ばすとつらい。感度の高いもの低いものそれぞれ一長一短があります。露出時間はだいたい10秒〜40秒ぐらいでしょうか。

加えてポジの場合は露出を補正しないといけません。これがややこしいので初心者の方はネガで撮ったほうが失敗が少ないです。コストも安いですし。
その他撮影上の注意

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ピントはいつも無限大、撮影中に動かないようピントリングをガムテープで固定するのが定石。
A 絞りは開放(F値を一番小さい値にする)
B シャッタースピードはバルブ(開放)に。操作はレリーズで
C 屋外に出したカメラはいきなり暖かい部屋に入れてはいけません。結露して故障の原因になってしまいます。また撮影時以外はタオルで巻いて極力密封して、凍結を防ぐ必要があります。カイロもあるといいですね。
D ストロボは基本的に厳禁です。どうしても使う必要があるときは周りによくことわってから使いましょう。
E オーロラだけを撮ってもすごさが上手く出ません。樹木や建物など地上物を端の方に入れて撮影するとスケール感がでやすくなります。
F 予備電池、予備フィルムは常に温めておきましょう。
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